はじめに
いよいよ大学センター試験に代わって大学入試共通テストが始まります。大改革とも言われることで、どう勉強するべきなのか非常に気にかかるところです。
センター試験との違いから具体的な対策方法までについて考えてみましょう。
大学入試共通テストとは
大学入試共通テストは、2021年から始まる大学入試センター試験に取って代わる試験です。
センター試験と変わらず大学入試センターが運営し、試験の時期も同じです。
基本的にはマーク式のままで、国語数学が一部記述式ありになりました。
大学入試共通テストの難易度について
大学入試共通テストは、モデル問題を見る限り難易度は高めです。用いる知識は全て高校卒業程度のものですが、よい得点を取るためには、試験直前にやるようなものも合わせて知識全部がきちんと頭に定着していて、その中から問題を読んだときすぐに必要なものを思い浮かべられ、そしてそれを自在に使いこなせる必要があります。
それにつまずくと問題の全体像の理解が難しくなり、時間配分が困難になるような試験と考えられます。
センター試験と共通テストとの傾向の違い
分量の多さ
共通テストの特徴は何と言っても分量が多いことです。
それで各問題が平易かというとそんなことはなく、ある程度の歯ごたえのある、気の抜けない問題がずっと続きます。
また、読まなければならない文章量自体が非常に多いことも注目すべきことです。
まず題意を理解するのに頭を使い、それから解くためにも頭を使います。
センターも文章量が上がってきてはいましたが、共通テストは人によっては得意科目でも時間内に解き切れないこともあるかもしれません。
思考力、応用力が問われる
センターでは出やすい問題がある程度決まっていたので、対策問題集によって慣れることができました。
しかし共通テストの場合、それよりも勉強の内容を本当に理解し、きちんと実力にしているかが大事になってきます。真の理解、実力というのは学校教育で常に推奨されてきたことでしたが、そこがシンプルに問われていると考えてよいのではないでしょうか。教わったことをもとに、自分の頭で応用できることが大切です。
慣れないタイプの問題であると臆するのではなく、問いの言っていることをとにかく理解しようとし、これはあの単元のあの事項を使えばいいということかなという発想に至れるようにしましょう。
記述問題について
新たに加わる記述問題ですが、これ自体特殊な対策を何かしなければならないものではありません。文章の意味を読み取り、正しく論理的に考えて書けばよい問題です。日頃の勉強の成果で充分やれるはずのものと言えます。
センター過去問は対策に使えるかどうか
共通テストのモデル問題は、受験生にとってはセンターからかなり変わってしまっていると感じられるのではないでしょうか。
似ていると思うものもあるかもしれませんが、実際解くときにはあまり分からない程度であり、ちょっとでもつまずいたとき立て直す方法は今から一律に確立できるのかなど、不安にかられるものではないかと思います。
そのため、センター過去問が共通テストの直接的な対策になり得るかというと少し疑問です。
流れが似た問題がまだ出題される場合に備え、感じをつかもうとしてみるのはいいことですが、そんなに時間がないのであれば、共通テストの勉強そのものをやった方がよいでしょう。
モデル問題を少し解いてみて、あとは昔から定番の問題集などで典型的な標準問題や応用問題を演習することがよいです。
また、センターには重要であった形式に関する対策ですが、共通テストがそのような姿勢でやりづらい性質の試験であることに加え、モデル問題の形式を今のうちから覚えてしまっても、そこまでその通り出るかは新制度移行直後なのでまだ分かりません。
自分がどんな感じの問いに出くわしたとき、どのくらい時間を食うのかという傾向の方をつかんでおきましょう。
こんな問題を自分は先に解いていくのがいいとか、このくらいの難易度の問いで引っかかったらこの程度の時間粘った後もう先へ行こうとかいうことを考えるといいでしょう。試験時にその場で時間調整をする力をつけるのに役立ちます。
英語のリスニング問題について
リスニングは、共通テストだけで終わりの人であっても、二次試験対策になるような問題集でそのときの自分にとってちょうどいいものを使って対策するとよいです。資格試験対策用よりもまず、高校の内容をベースにした大学入試用の問題集を一回通ることをお勧めします。
センター9割が目標だった最難関国立大受験はどうなるか
何でも試験というのは、8割取れればよいレベル、9割を超せば非常によいレベルと考えておくと差し支えないです。したがって、最難関国立大学や難関学部受験をするのだったら、新試験でも依然として9割目標と思って勉強しておいて損はないと思われます。
最近では大学入試最上位層なら当たり前にセンター9割のようなイメージですが、少し前までそのレベルの受験に通る人でも必ずしも9割超えでないと危なかったわけではありませんでした。それを考えると、最上位層に関してはレベルが上がり続けていると見ることもできます。
そのようなライバルと切磋琢磨し合格をつかむには、少々骨のある新しい試験でも、必ず9割と思って勉強しておくのは悪いことではなさそうです。
共通テスト利用難関私立専願もセンター時と同様の傾向が見込まれる
難関私立専願で共通テスト利用入試を受けたいときも、受ける側の倍率に関する感覚に関して、今までの傾向は続行されると考えられます。この形の入試なら国公立大学受験より少し難易度が落とせるとしても、その代わり私大は倍率の意味から言って難しく思えることがあるでしょう。
定員数そのものが少ない場合があることから、プレッシャーを感じやすいのです。従って今まで通りの入試の感じであると心得て、対策しておくことが望ましいです。
高2以下から見て共通テストモデル問題をどう指針にすべきか
モデル問題で現時点で解けるものを解いてみて、実力との距離をはかり、日頃の勉強に活かしてみるとよいです。基本のレベルをまず絶対に確実にしましょう。
そしてその後簡単な問題ばかり解いているのではなく、少しでも貪欲に応用の内容へ切り込んでいくべきです。
思考力を養ってくれる問題、分野融合問題などが載っている本も探して自分の勉強にプラスしましょう。
まとめ
このような制度移行時は、あせりや不安な気持ちがとても大きくなるものだと思います。大事なのは、今までやってきた中で得ているものを十二分に活用することです。
どういう制度のときでも大事であろうことを努力としてやりましょう。
本番は自分の力を信じてやり切ると言える状態に持っていけるとよいです。